大切なもの
今日の午後、グンゲンの選手の家にいたところ、
だんだん空が暗くなり、雨が降ってきました。
今は、雨季の時期で雨自体は珍しくないので、
数人の選手と一緒に、その家で少し雨宿りをさせてもらっていました。
いつもより少し雨脚が強くて、なかなか止みそうにないなと思っていると・・・
降り始めておよそ20分後に
家の中に少しずつ水が入ってきました。
そして、みるみるうちに水は押し寄せ、すぐに家の中はこんな状態になりました。
家中水びたしです。たぶん10cmくらいの水位になったと思います。
最初は僕も笑っていましたが、すぐに笑えないような状況になりました。
こんなの初めての経験で、しかも、あまりにも簡単にこのような状況になってしまったことに、唖然としていると
子どもたちは、せっせと家の水を外にかき出します。家屋が落ち着いたら、敷地内の水をかき出す。
手馴れた手つきで、片づけていきました。
聞いてみると、別に珍しいことではなく
このようなことが時々あるとのことでした。
以前にブログにも少し書きましたが、この国では道の排水溝などの整備が不十分なため、すぐに道が川の様な状況になってしまいます。
今回も道に溢れ、行き場を失った水が、家の敷地、家屋の中へと入ってきました。
この選手の家は、少し古く、場所的にも少し立地が悪いのが原因のようです。
全ての家が簡単にこんな状態になるわけではないです。
家の中が水びたしなので、靴や家にあったものは当然ビショビショです。
しかし、黙々と後片付けをし、水が引いた後は、何事もなかったかのように過ごしている子どもたちを見て、「たくましさ」を感じました。
ふと窓から外を見てみると、外の倉庫の中も水没していて、雨が倉庫内に吹き込んだこともあって、野球のボールやグローブが濡れていました。
今までも、何度かボールが濡れて使えなくなり、選手を叱っていましたが・・・
今回は何も言えませんでした。
家の中があんな状態で、野球道具より大事な生活用品等が濡れたり、使えなくなる可能性もあった中で、
野球道具を大事に扱え!!と、僕は言うことはできません。
それとこれとは話が別で、
時々あることなら、尚更それを見越しての対策をするべきだと日本では言われそうですが・・・
たしかに、野球の道具は大切にしてもらいたいし、それを伝えていきたい。
練習にも来てもらいたいし、野球に本気で取り組んでもらいたい 野球のことを1番に考えてもらいたい。
でも、野球よりも大切なもの、優先させなければいけないものが、ここにはたくさんあって、
そうしたくても、できない状況というのもあることを、改めて思い知らされました。