ブルキナファソで野球しよう!

青年海外協力隊として、西アフリカのブルキナファソで野球指導の活動中!!

逃げるな!!

最近少し、ショックで驚いたことが

選手たちが何人か留年してしまったことです。

 

こんなことで良いのか、少し考えさせられています。

 

ブルキナファソの教育システム

ブルキナファソの学校教育では、小学校から高校まで(大学は、まだシステムを理解していません)

全てにおいて卒業試験があります。

 

しかも、受ければ合格ようなものでもなく

すべての子どもが合格できるわけではありません。

合格点に届かなければ容赦なく留年。

難易度は決して低いものではありません。

 

これは、小学生も例外ではありません。

 

学校や、担任の先生によって合格率も変わっていたりするので

最高学年の担任の先生は、休み時間や学校の休みの日も

授業をしたりしています。

 

合格者はたった二人

選手の中では、中学校卒業試験に関わった選手が一番多く

受けたのは8人

 

しかし、選手の中での合格者は、たった2人でした。。。

 

正確な合格率はわかりませんが、先ほども述べた通り

決して合格率が高い試験ではありません。

何年も合格できずに留年してしまう子や、

途中であきらめ学校に行かなくなってしまう生徒もいます。

 

それでも、正直この合格者の数には、少しショックでした。

 

当の本人たちは、難易度からか何食わぬ顔をしています。

しかも、べつに野球が不合格の原因ではないと思いますが

この結果は少し考させられます。

 

ちなみに・・・日本滞在10日目に入った4名の選手のうち

2名の選手が中学校の卒業試験を渡日前に受験しましたが

結果は不合格でした。

 

忘れられない光景 

これに関連したことで忘れられないできことがあります。

 

それは、今年の2月

今は高知FD 練習生のラシィナが、まだブルキナファソにいる時に

既に日本への再挑戦が決まっており

現地のメディア数社から、まとめて取材を受ける機会がありました。

 

その時の記者の質問の一部

 

記者:「年齢は?」

 

ラシィナ:「16歳です」

 

記:「学校はどこ?16歳だと、中学校の最終学年?」

 

ラ:「はい。〇〇中学校で、最終学年です」

 

記:「日本に行っくって、卒業試験はどうするの?」

 

ラ:「学校は休学して、とりあえず今年の試験は受けません」

 

記:「・・・。」

 

この時の記者たちの反応は忘れられません。

苦笑いの記者、無表情の記者、それぞれ様々な表情をしていましたが

共通していた感情としては

「信じられない」「呆れた」と言ったようなものでした。

 

この国の社会では、学歴もありエリートである記者たちからすれば

当然の反応だったのかもしれません。

 

 

その時に、この国における学歴というものの重要さを

私は身に染みて感じました。

たぶんこの国では、日本よりも学歴と言うものが人生を左右すると思います。

 

学歴が、この国の大きな価値観なのです。 

 

嫌なことから逃げない!!

今回の試験の結果や、ラシィナの件に関して

誰かを批判したいわけではありません。

 

試験に向けて努力はしていたと思います。

 

しかし、選手たちからは

「日本でプロ野球選手になりたい!」

「自分の夢は野球選手!だから、今は勉強よりも野球が大事」

「ブルキナで中学校、高校を卒業しても、結局は仕事なんてない」

こんな声を時々耳にします。

 

 

彼らの夢は全力で応援してあげたいけど

自分の嫌いなこと、自分に都合が悪いことからは逃げてしまう

 

そんな人にはなって欲しくありません。

 

最近は、ラシィナの影響や

プロへのチャレンジするチャンスが身近にあることで

どうもプロへの意識が強くなりすぎている気もします。

 

このままでいいのか・・・

 

いや、だめでしょ。

 

プロになるために、この国の価値観まで犠牲をして

そこまでしなければ野球が普及しないのならば

この国で野球を普及させる必要はない気がします。

 

もちろん、何かを犠牲にしてまでチャレンジすることは素晴らしいです

でも、これをただの美談にするのは違うと思います。

 

 

選手たちには、もう一度自分の取組み方を見直してもらいたいし

自分も選手たちの接し方を、また考えていきたいと思いました。

 

 

まー、高校時代に恥ずかしいような成績ばっかりしか取れなかった

自分が言うのは大変おこがましいし

あの時の自分に一番伝えてやりたい!!

 

「嫌なことから逃げるな!!」

 

いや・・・今の自分にもだな。